よく商品やサービスを作ったり、売るための「お客様の声を聞きなさい。」と成功した経営者や営業の方が書いた本や話しに出てきますが、それは本当でしょうか?
「お客様の声を聞いて商品やサービスづくりをしても買ってもらえなかった。」
「そんなサービスあったら買います!」って言ってたのに音沙汰がない(涙)
お客様の声を素直に取り入れたのに的外れな結果になる。そんな経験ありませんか?
こんな事になってしまうのはなぜなのか、今回は、「お客様の声を聞け」の4つの真実について解説してきます。
(1)全てのお客様の声を聞くのはNG
僕のクライアントさんでも、よくありがちなのが、お客様から聞いた意見を採用したのに売れなかった。とか、サービスを改善したのにリピートされなかった。などお客様の声に振り回されるケースです。
なぜこんな事が起きるかというと、自社のペルソナ(対象顧客)との食い違いです。
ペルソナは自社の商品やサービスを好んで購入してくれる優良な顧客像を設定しているのですが、それ以外のお客様の方がクレームや要望を伝えてくれる事も多いので、お客様の声を全て聞いていると、“購入する気のないお客さん”の思いつきで伝えてくれた意見を採用してしまう事にもなってしまいます。
ペルソナの声と明確に区別して把握すると良いでしょう。そのためにもどの顧客がペルソナに近いのかを把握しておくことが重要です。
もちろん、ペルソナ以外の声も、ペルソナの役に立ったり商品やサービスを一段ブラッシュアップできる意見も含まていることもあるので、無視はできません。
なので、ペルソナ以外のお客様の声は軽く覚えておくぐらいで丁度いいと思います。
(2)全てのお客様に平等におもてなしは間違い
全てのお客様は神様です!という教えもありますが、小規模のビジネスがしっかりと経営を強化していくには、優良顧客を贔屓する。そういう考えも必要です!
ただし、ここでの優良顧客とは、客単価やリピート期間、LTV(同じお客様が支払う総額)などの数字で区別する必要があります。仲が良いから。とかそんな基準で選ぶのはNGです。
しっかりと数字を上げてくれるお客様は、こちらの力を入れている高単価の商品やサービスも購入してくれる方だったり、繰り返し長期間購入してくれる様なお客様です。そんな自社の商品やサービスを愛してくれるお客様をより特別におもてなしすることは当然ですよね!
(3)声の大きいお客様が優良顧客とは限らない
声の大きなお客様(よくメールやLINEなどで問い合わせをくれるお客様)が、優良顧客である訳ではありません。ただ単に、意見をよく発信してくれるお客様というだけの場合も多いです。
意外にも優良顧客には、声の小さな方も多いです。商品やサービスを気に入ってくれて信頼してくれているからこそ、表立って要望を伝えてくれる事が少ない事があります。もちろん、愛しているからこそ苦言を伝えてくれる方も少なからず居ます。こういうお客様は貴重ですね!
クレームにはもちろん素早く誠実に対応することは大事ですが、要望が多いから。または同じお客様に何度も伝えられたからといっても、そのお客様が自社の優良顧客であるかを見極めて要望を取り入れ方を選ぶことは重要です。なぜならば、優良顧客とそうでないお客様の求めている事が違う事が多いからです。
優良顧客の小さな声を聞き逃す事が無いように、しっかりと自社にとっての優良顧客を把握できる仕組みを作っておきたいですね。
(4)聞いた声をそのまま商品化しても利益にはならない
利益の観点から見ても、お客様の声をそのまま商品化する事が間違いであることが分かります。
それは、お客様が伝えてくれる事は表層の課題であることが多く、既に競合他社も知っている情報が多いからです。アンケートを取れば誰でも分かるような情報で商品開発しても利益を取れる商品はつくれません。すぐに真似されて価格競争になってしまいます。
お客様にとっても、要望通りの商品やサービスは意外に大きな感動が起きない事が多いです。
あなたも、恋人に伝えていたプレゼントをそのままもらっても、大きく感動を感じることはないと思います。それよりも、自分の何気ない一言を覚えてくれていて不意にもらったプレゼントはめちゃくちゃ嬉しく感じるのではないでしょうか?
聞いた声をそのまま商品やサービスとして提供する事も大事ですが、もう一歩お客様のことを知る姿勢が大事です。お客様の『隠れた欲望を具現化』してあげること。または、『隠れた悩みを解消』してあげる。それが大きく利益の取れる商品開発やサービスづくりに繋がります。
まとめ
ここまで、『実は嘘だった?!商品やサービスづくりで「お客様の声を聞け」の4つの真実』について紹介してきました。
- 全てのお客様の声を聞くのはNG
- 全てのお客様に平等におもてなしは間違い
- 声の大きいお客様が優良顧客とは限らない
- 聞いた声をそのまま商品化しても利益にはならない
お客様全体を漠然ととらえるのではなく、しっかりとお客様の貢献度を数字で分析してみることが大事です。ぜひ参考にしてみて下さい。