小規模(ひとり)経営者は、事業の全般を自分でやることになるため、やることが多くて忙しい。なのに利益が多いわけじゃない。
そんな悩みを解消する、経営者が時間と利益を増やすために大切な5つのことを紹介します。
※この記事は、すでにある程度、売上や客数のあるビジネスの方向けの内容です。
【1】事業の軸を決める
一般的にビジネスには3つの軸があると言われています。
- 便利軸:安い・手軽・それなり
- 専門家軸:最新・最高・こだわり
- 関係性軸:フォロー・密着・いたわり
消費者として最も触れるビジネス軸が①の便利軸。ほぼ8割のビジネスはこの便利軸にあたります。
そのため、私たちがビジネスを始めるときは、無意識にこの①の軸を選びがちです。
消費者側からの感覚としては、安くて手軽で便利に使いたいという欲求に応えてくれるビジネスとなっています。
この軸は基本的には大企業や資本力のある企業に適しているので、小規模のビジネスでこの軸を選ぶ場合は、かなり戦略を考える必要があります。(薄利多売になり利益が残りづらい面がある。)
一方で②、③の軸は、お客様との関係性をより大事にする軸なので、価格競争やライバルとの比較をされずに選ばれやすい軸となっています。
そのため、小規模ビジネスの方は、②③の軸を選ぶことをおすすめします。
大事なポイントとしては、どの軸を選ぶかではなく、自分がどの軸を選んでいるのかを自覚することです。それぞれの軸によって戦略がまるで変わってきます。
自分の軸を自覚しないままビジネスをしていると、軸が混ざってしまい、消費者目線で見ると①の便利軸の扱いにされやすいので、価格競争やライバルとの比較の荒波に飲まれてしまいます。
【2】経営の本質(コア)を見つける
- 最も楽
- 最も稼げる
- 最も喜ばれる
この3つの輪が重なった部分が、あなたのビジネスのコア(利益の源泉)なので、日々の日常業務を行う中で、自分のビジネスのコアは何かを考えながら取り組みましょう。
このコアを見つけることで、自分のビジネスがより強くなります。
あなたにとっての最も楽なことは何ですか?
最も稼げる(お客様がお金を払ってでも買いたいと思えるか)ことは何でしょうか?
最もお客様に喜んでもらえることは何ですか?
この3つをしっかり考えてみましょう。
【3】業務を整理して効率化する
- 見込み客にアプローチする活動(営業活動)
- お客様のフォローやサービス提供
- 将来の売り上げや利益を作るための内部の活動
- その他の活動(内部)
あなたの今の業務を上記の4つに分類して、それぞれの業務のボリュームを把握しましょう。
例えば、売上が少ない、なかなか売上に繋がらない方は、①営業活動の量が少なかったり、②お客様のフォローなどに時間を使いすぎている、などの理由が見えてきます。
このように今の自社の課題と業務のバランスを確認してまずは現状を把握しましょう。そして、効率化のために、②と④を中心に、やめてもいいものは思い切って手放す、もしくは外注化を検討してみましょう。
【4】お客様とサービスを絞る
既存のお客様をリスト化して、売上への貢献度を数値化してみましょう。
貢献度上位の2〜3割のお客様と、下位の2〜3割のお客様を把握して、それぞれの共通点や特徴を分析します。
だいたい、下位の2〜3割のお客様は売上の貢献度が低い割に、かかっている手間やコストが大きい場合がほとんどなので、勇気を持って手放すことをおすすめします。
上位2〜3割のお客様に関しては、より喜んでもらえるように、関わりを増やしたり、商品やサービスの改善や開発に力を入れましょう。
商品・サービスの貢献度(上位のサービスと下位のサービスともに)を数値化して、下位のサービスは廃止して、上位のサービスをより良く改善できないか、検討してみましょう。
これを定期的に行っていくことで、お客様やサービスが絞られていき、時間や労力を必要な分量に抑えながら、利益率を上げることができます。
【5】単価を上げる
今回ご紹介した①〜④に取り組んだ方は、ある程度お客様とサービスが絞られ、業務も効率化できてくるかと思います。
④で絞り込んだお客様がより喜んでくれる「高単価な」商品やサービスを開発して販売してみましょう。
そのためにも優良なお客様が、本当に悩んでいることや心から喜ぶことをしっかりと把握できるような関わりを作っておくことも大切です。
まとめ
以上、小規模(ひとり)経営者が時間と利益を増やすために大切な5つのことをご紹介しました。
売上だけに意識がいってしまったり、目の前の業務に意識がいってしまう方が多いと思いますが、改めて自分自身の業務やお客様と正しく向き合う先に、望んでいる時間とお金の両方を手に入れることができるのです。
ぜひ、この機会に改めて振り返り、考えてみてください!